コンデンサは、2枚の導体の間に電気を蓄える素子です。電気回路では電源の安定化やノイズ除去などに使われ、診療放射線技師国家試験の医用工学でもよく扱われます。
この記事では、静電容量の意味、平行板コンデンサ、直列・並列接続、蓄えられるエネルギーを、公式と図を使って順番に整理します。
静電容量とは
静電容量とは、コンデンサが電荷を蓄える能力を表す量です。電荷をQ[C]、電圧をV[V]、静電容量をC[F]とすると、次の式で表されます。
$$C\bigl[F\bigr]=\frac{Q\bigl[C\bigr]}{V\bigl[V\bigr]}$$

図1 コンデンサの静電容量
同じ電圧を加えた場合、静電容量Cが大きいコンデンサほど多くの電荷Qを蓄えられます。ただし、コンデンサの形や中に入っている物質が同じであれば、静電容量は一定です。QやVが変わったからといって、Cそのものが変わるわけではありません。
- 1 F(ファラド)=1 C/V
- 1 μF=10−6 F
- 1 nF=10−9 F
- 1 pF=10−12 F
コンデンサのしくみ
2枚の導体を向かい合わせて電源につなぐと、一方の極板には正電荷、もう一方の極板には負電荷が蓄えられます。この2枚の極板の間には電界が生じます。
電荷の間に働く力について復習したい方は、クーロンの法則、電界そのものについては電界(電場)も参考にしてください。
平行板コンデンサの静電容量
極板面積をS[m2]、極板間距離をd[m]、真空の誘電率をε0[F/m]、極板間に入れた物質の比誘電率をεrとすると、平行板コンデンサの静電容量は次の式になります。
$$C=\varepsilon_0\varepsilon_r\frac{S}{d}$$

図2 平行平板コンデンサの静電容量
- 極板面積Sが大きいほど、静電容量Cは大きくなります。
- 極板間距離dが大きいほど、静電容量Cは小さくなります。
- 比誘電率εrが大きい物質を入れるほど、静電容量Cは大きくなります。
コンデンサの直列接続と並列接続
直列接続
直列接続では、それぞれのコンデンサに蓄えられる電荷Qが等しくなります。合成静電容量Cは逆数を足して求めます。
$$\frac{1}{C}=\frac{1}{C_1}+\frac{1}{C_2}+\cdots+\frac{1}{C_n}$$
同じ静電容量C0のコンデンサをn個直列につないだ場合は、C=C0/nです。合成静電容量は、接続した中で最も小さい静電容量よりもさらに小さくなります。
並列接続
並列接続では、それぞれのコンデンサに加わる電圧Vが等しくなります。合成静電容量Cはそのまま足して求めます。
$$C=C_1+C_2+\cdots+C_n$$

図3 コンデンサの合成静電容量
抵抗では直列接続でそのまま足し、並列接続で逆数を足します。コンデンサは抵抗と反対なので、混同しないように注意してください。
コンデンサに蓄えられるエネルギー
コンデンサに蓄えられる静電エネルギーW[J]は、次の3つの形で表せます。
$$W=\frac{1}{2}CV^2=\frac{1}{2}QV=\frac{Q^2}{2C}$$

図4 コンデンサに蓄えられるエネルギー
どの式を使っても同じ結果になります。問題で与えられた値に合わせて、計算しやすい式を選びます。
計算例
静電容量10μFのコンデンサに100Vの電圧を加えたとき、蓄えられる電荷QとエネルギーWを求めます。
まず、10μF=10×10−6 F に直します。
$$Q=CV=10\times10^{-6}\times100=1.0\times10^{-3}\ \mathrm{C}$$
$$W=\frac{1}{2}CV^2=\frac{1}{2}\times10\times10^{-6}\times100^2=5.0\times10^{-2}\ \mathrm{J}$$
答えは、電荷Q=1.0 mC、エネルギーW=0.050 J です。μ(マイクロ)や n(ナノ)の単位変換を忘れないようにしてください。
まとめ
- 静電容量はC=Q/Vで表し、単位はF(ファラド)です。
- 平行板コンデンサはC=ε0εrS/dで表します。
- 直列接続は逆数を足し、並列接続はそのまま足します。
- 静電エネルギーはW=CV2/2=QV/2=Q2/(2C)です。
- 条件を変える問題では、電源接続中ならV一定、切り離し後ならQ一定です。
