平等電界と電位差の関係を理解するためには、電界(電場)と電気力線の知識が必要になります。先にこちらの記事を読んでいただくと、今回の内容をイメージしやすくなります。
この記事では、平行な2枚の金属板の間にできる平等電界と電位差の関係を、図と計算例を使って解説します。
平等電界とは?
平等電界とは、電界の向きと大きさが、どの場所でも同じ電界のことです。「一様電界」と呼ばれることもあります。
正に帯電した極板と負に帯電した極板を平行に置き、その間に電位差を与えると、極板の中央付近では電気力線が平行かつ等間隔になります(図1)。つまり、極板間のどの位置でも、同じ向き・同じ大きさの電界になります。

図1 平行平板間における平等電界
電界の向きは、正極板(高電位)から負極板(低電位)へ向かう方向です。
実際には、極板の端では電気力線が外側へ曲がる「端効果」が生じます。そのため、平等電界として扱えるのは主に極板の中央付近です。国家試験の問題では、特に断りがなければ端効果を無視して計算します。
電位差とは?
電位とは、電荷1 C(クーロン)あたりが持つ位置エネルギーのことです。2点間の電位の差を電位差といい、一般的には電圧とも呼ばれます。
1 V = 1 J/C
電位差は「電気的な高さの差」と考えるとイメージしやすくなります。正電荷は、高電位側から低電位側へ移動することで位置エネルギーを失い、その分だけ運動エネルギーを得ます。
平等電界と電位差の関係
極板間の電位差をV [V]、極板間隔をd [m]、電界の強さをE [V/m]とします。
電荷q [C]に働く力はF=qEであり、その電荷が電界と同じ向きに距離dだけ移動したとき、電界がする仕事の大きさは次のようになります。
一方、電位差Vによって電荷qが得るエネルギーはW=qVです。したがって、qEd=qVとなり、両辺をqで割ると次の関係が得られます。
V [V] = E [V/m] × d [m]
この式から、極板間隔が同じであれば、電位差を大きくするほど電界は強くなることが分かります。また、同じ電位差であれば、極板間隔を狭くするほど電界は強くなります。
電界の単位には[N/C]と[V/m]がありますが、1 N/C=1 V/mなので、どちらを使っても同じです。以前の記事で一旦スルーした「なぜ電界の単位がV/mになるのか」は、このE=V/dの関係から分かります。
電位は直線的に変化する
平等電界では電界の強さEが一定なので、電位は距離に比例して一定の割合で低下します。そのため、位置と電位の関係をグラフにすると直線になります(図2)。

図2 平等電界における電位の変化と電化に働く力
正電荷と電子に働く力
電界中の電荷に働く力は、次の式で表されます。
- 正電荷:電界と同じ向き(正極板から負極板)に力を受ける
- 電子:電荷が負なので、電界と反対向き(負極板から正極板)に力を受ける
「電気力線は正極板から負極板へ向かう」ことと、「電子は負極板から正極板へ動く」ことを混同しないようにしましょう。
計算例
電位差6.0 kV、極板間隔3.0 cmの平行平板間にできる電界の強さを求めてみます。
まず、単位をVとmにそろえます。
d=3.0×10−2 m
=(6.0×103)/(3.0×10−2)
=2.0×105 V/m
この電界中に電子を置いた場合、電子に働く力の大きさは、電気素量e=1.60×10−19 Cを使って計算できます。
=3.2×10−14 N
国家試験では、cmをmへ、kVをVへ変換し忘れるミスが起こりやすいので注意してください。また、電子に働く力の向きを問われた場合は、電界と反対向きになります。
まとめ
- 平等電界では、電界の向きと大きさがどの場所でも同じ
- 平行平板の中央付近では、電気力線が平行かつ等間隔になる
- 電界は高電位側から低電位側へ向かう
- 電界と電位差の関係は、E=V/d、V=Ed
- 平等電界では、電位が距離に対して直線的に変化する
- 正電荷は電界と同じ向き、電子は電界と反対向きに力を受ける
E=V/dは、医用工学の電界に関する計算で基本となる公式です。公式だけを覚えるのではなく、正極板から負極板へ電界が向き、その方向に電位が低下する様子を図と一緒に覚えましょう。

