電気力線

医用工学

電気力線を理解するためには、クーロン力や電界(電場)の知識が必要になります。

これまでの記事(「クーロンの法則」、「電界(電場)」)で解説しているので、先に読んでいただくことをおススメします。

電気力線とは?

ファラデーが考案した、電界(電場)の様子を目に見えるように表したものです。電気力線で電界を表すことで、電場の向きと大きさを分かりやすく表現することができます。

単独で存在している電荷の電気力線を書いてみます(図1)。

図1 単独で存在している電荷の電気力線

電気力線は電界の様子を目に見えるようにしたものなので、プラスの電荷外側に向かっていく電気力線マイナスの電荷内側に向かっていく電気力線が描かれます。

次に、2つの電荷が存在するときの電気力線を考えてみます(図2)。

図2 2つの電荷が存在するときの電気力線
上の図は同符号の電荷が存在したとき、下の図は異符号の電荷が存在したとき

同符号の電荷では、電気力線は2つの電荷の中央に引いた線を越えられません(図2上)。
異符号の電荷では、電気力線は全て 正電荷から出て負電荷 に吸い込まれます(図2下)。

また、電気力線の密度は電界の強さを表すため、中心に行くほど電界の強さは強く外側に行くにつれ電界の強さは弱くなります。

電気力線の性質

電気力線には、以下のような性質があります。

  1. 正電荷(+Q)から出て、負電荷(-Q)で終わる。
    単独の電荷の場合は無限遠で終わる。
  2. 電気力線の接線方向は、その点における電界の方向を表す。
  3. 電気力線の密度は、電界の強さ[V/m]を表している。
  4. 電気力線は、交わったり枝分かれせず滑らかな曲線である。

これらの性質を診療放射線技師国家試験で問われたことがありましたので、覚えるようにしましょう。

まとめ

  1. 電気力線は、電界(電場)の様子を目に見えるように表したものです。
  2. 電気力線は、プラスの電荷は外側、マイナスの電荷は内側に向かっていきます。
  3. 電気力線の密度は電界の強さを表していて、中心に行くほど電界の強さは強く、外側に行くにつれ電界の強さは弱くなります。

医用工学分野は計算が多く、苦手意識を持つ学生さんが多いですが、この手の問題であれば覚えておくだけで点数が取れるので、是非覚えましょう!